アンヒバ坐剤を処方してもらったのですが、先生によって差があります。少ない量だと効かないのではないかと不安になるのですが、、、
アンヒバ坐剤の推奨量には差があるので、必ず医師に指定された量を使用しましょう!
【解説】
薬局で働いているときに、お父さん・お母さんから、「坐薬の量が先生によって違うんだけど?」と質問を受けることがあります。今日はそんな疑問を持ったことがあるかたに、特に読んで欲しい内容です。
今回の記事は、坐薬の成分量を自分で調節するためではなく、成分量が医師の指示通りで問題ないことを確認してもらうことを目的としています。気になることがあれば、必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談してください。
複数の病院にかかったとき、医師によって処方の内容に違いが出ることがあります。それは、そのときの状況や医師の経験などをもとに、そのときの最善の選択をした結果になります。
自己判断で薬を調節してしまうと、治療がうまくいかないことがあるので、絶対にやめましょう。薬について不安がある場合は、かかりつけの医師や薬剤師に必ず相談するようにしてください。
それでは、今回のアンヒバ坐剤について、処方量に差が出る理由を詳しく見てみましょう!
〇添付文書(薬の説明書)では、10~15mg/kgが目安。
例えば、体重が10kgのお子さんの場合、推奨される坐薬の量は、100mg~150mgとなります。
私の臨床経験では、10mg/kgで計算されるケースが多いように思います。
では、それより少ないと効果はないのでしょうか?
〇インタビューフォーム(より専門的な薬の説明書)では、6mg/kg以上で効果があるとされている。
実際のところ、10mg/kg以下でも十分効果は得られると考えられます。インタビューフォームの原文を抜粋すると、
体重 1kg あたりのアセトアミノフェン投与量別に解熱効果を比較した結果,6mg/kg 以上で優れた有用性が確認された
アンヒバ坐剤 インタビューフォーム
とあります。
これに当てはめると、体重が10kgのお子さんの場合は、60mg以上で解熱作用は得られると考えられます。添付文書の情報とも照らし合わせると、体重10kgのお子さんが効果を得るにあたって効果を得られ、かつ安全性が担保される用量は、60~150mgとかなり幅広くなります。
〇そもそも、解熱の目的は体力の消耗を抑えること!
そもそも、解熱剤は対処療法として処方されます。解熱剤を使うことで風邪が早く治るということはありません。
発熱は、免疫を働かせるためには必要なものでもあります。不用意に坐薬をたくさん使うことは避けたいものでもあります。
詳しくはコチラ
これらのことから、現時点での病状や体調、使用する剤形の手間などを考慮して、そのときの医師の判断によって多少の違いがあることは当然と言えるでしょう!
今回の内容を見て、薬の量に疑問があった場合でも、自己判断で調節は絶対にしないでください。かかりつけの医師・薬剤師に必ず相談しましょう!
薬を納得したうえで使うことは、あなたの健康を守る大切な要素です。
その役割を果たすために、今日も薬剤師が働いています。
気軽に健康相談ができる、かかりつけ薬剤師がいるとよいですね。
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