新しく出た薬で、グレープフルーツを食べないように言われたけど、ミカンは食べても大丈夫?
ミカンは大丈夫ですよ!柑橘類の中でも、食べて良いモノ悪いモノがあるので、確認しましょう!
【解説】
薬の飲み合わせで注意して欲しい食品の一つに、グレープフルーツがあります。とても有名な話なので、皆さんの中にも聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?
さて、グレープフルーツを食べないように言われると、他の柑橘類はどうなのか心配になりますよね。
今回はグレープフルーツと薬の関係について詳しく解説してみたいと思います!
私の考える注意すべき柑橘系リスト
早速、私の中の結論ですが、
と考えます!
ちなみに、柑橘系ではありませんが、ザクロも注意が必要とされていますので、避けておくことが無難です!
グレープフルーツと相性の悪い薬は?
グレープフルーツには、フラノクマリンという成分が含有されています。
先ほどの注意すべき柑橘類リストは、このフラノクマリンの含有量をもとに作成したんです。
注意すべき柑橘類について把握したところで、注意すべき薬についても簡単に説明したいと思います。
そもそもグレープフルーツとなぜ一部の薬と相性が悪いのでしょうか?
グレープフルーツに含まれるフラノクマリンは、薬を代謝する酵素を阻害してしまうため、薬が代謝されずに体内にとどまり、結果として副作用のリスクが上がってしまうことになります。
ちょっと専門的な言葉が出てきますが、フラノクマリンが阻害する代謝酵素はCYP3A4という種類です。ということは、CYP3A4に関連する薬との相性に注意が必要になるわけですね。
具体的には、
〇血圧や狭心症治療に使われるCa拮抗薬(ニフェジピンなど)
〇免疫抑制剤の一部(タクロリムスなど)
〇高脂血症治療薬の一部(アトルバスタチンなど)
〇睡眠薬の一部(トリアゾラムなど)
〇てんかん治療薬の一部(カルバマゼピンなど)
〇抗がん剤やHIV治療薬の一部
などなどがあります。
たくさんありすぎて覚えられませんよね(-_-;)
ここで重要なことは、2点
①グレープフルーツと関連する薬はたくさんある
②グレープフルーツの影響度は薬によって異なる
ということです。
以上のことから、今飲んでいる薬について不安を感じた方は以下pointをチェックしてみてください!
まず、薬剤師に今飲んでいる薬の中にグレープフルーツに注意するものがあるか聞きましょう。
次に、その影響度について確認してみてください。
例えば、効果が1.1倍程度しか変わらないのものから、2倍以上に増強されるものもあるので、注意のレベルがだいぶ違いますよね。
あとは薬の影響度も違います。抗ガン剤治療薬は微妙な調節をすることも少なくないので、基本的にグレープフルーツは避けるべきです。
フラノクマリンの特徴
グレープフルーツなどの柑橘系に含まれるフラノクマリンについて、もう少し深堀りしていきたいと思います。
今回、フラノクマリンの特徴として覚えていただきたいことを3つ挙げさせていただきました。
摂取すると長時間代謝阻害作用を有する
フラノクマリンのCYP3A4阻害作用は、24時間以上続くと言われます。
そのため、朝に薬を飲んで、夜にグレープフルーツを食べるというのもダメなんです。
皮に多く含まれる
フラノクマリンは、柑橘系の中でも皮に多く含まれるため、果実は大丈夫でも皮は食べてはいけない場合があります。
具体的には、レモン、日向夏、スウィートオレンジになります。
加熱処理をしてもなくならない
フラノクマリンは熱に強いため、ジュースやジャムなどに加工されてもその効果は落ちません。
むしろ、皮も一緒に加工されるためにかえってリスクが高い可能性があります。加工食品にも十分に注意しましょう。
ただし、果汁0%のグレープフルーツ風味などは問題ありません。
いかがでしたか?
薬とグレープフルーツの話を聞いたことがある方は多いかと思いますが、詳しいところまでは聞いたことないですよね。これを機に、ぜひ理解を深めてみてください。
グレープフルーツを含めた柑橘系が好きな方(私も大好きです)にとっては、非常に重要なお話だったのではないでしょうか?
コメント
大変勉強になりました。
一般の方は「グレープフルーツを避けた方がいい薬がある」で
知識十分だと思うのですが、
薬剤師としては今井さんの書いたブログくらいのことを知っておくと
役に立つと思いました。
今後もブログ楽しみにしています。
まつもと まさひろ 様
コメントありがとうございます!
ご覧いただけて嬉しいです(^_^)
ブログは滞りがちですが、引き続き少しずつ増やしていきたいと思います。