市販のロキソニンSは処方されるロキソニンと同じなのか?

市販薬

 

普段、頭痛でロキソニンを病院から処方されているのですが、在庫がなくなってしまいました。今回は市販薬のロキソニンSを購入しようと思うのですが、同じものですよね?

薬剤師さん
薬剤師さん

パッケージなどは変わるものの、錠剤の成分や添加物などは同じです。基本的に同じように使えますが、ロキソニンSになると、一部使用上の注意が変わるので確認を。

【解説】

さて、医師から処方されるロキソニン(正式名称としては、ロキソニン錠60mgと言います。)と、市販薬のロキソニンSの2種類。はたして、どのような違いがあるのでしょうか?
薬剤師の目線で、この2つの共通点と相違点について、少し詳しくお話してみたいと思います!

ロキソニンとロキソニンSの同じところ
 〇成分
 〇成分量
 〇添加物
 〇錠剤の大きさ

ロキソニンとロキソニンSの違うところ
 〇錠剤のデザイン
 〇PTPシートのデザイン
 〇添付文書

今回問題になるのは、この添付文書(薬の説明書)という部分です。

添付文書とは、使用上の注意や用法・用量、服用した際の効能、副作用などを記載した書面のことです。その記載内容は、薬機法という法律に定められています。患者の安全のため、医薬品や医療機器を正しく適切に使用する際の基本となる重要な公的文書にあたります。

薬剤師としては、添付文書上に定められたことを守る必要があります。何故なら、添付文書通りに服用しないことによって起こった健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象にならないためです。

この添付文書の違いから、ロキソニンSには細かい注意点が出てきます。「効能・効果」や「用法・用量」、「使用上の注意」などを比べると微妙な違いが出てくるのですが、ざっくりまとめると、ロキソニンSを飲む場合に注意して欲しいことは次の2点です。

①15歳未満の小児は使用不可
②基本的に頓服薬として服用する

①はわかりやすい注意ですね。病院で処方されるロキソニンは年齢制限は設けられていませんが、市販薬のロキソニンSは違います。これには、守るべき理由も考えられます。小児には、アセトアミノフェンという成分が推奨されるからではないでしょうか。
ということで、15歳未満の場合は市販薬のロキソニンSは飲まないようにしてください。

②は1日3回定時で服用するというような使用方法はしないでという注意です。
ロキソニンの成分であるロキソプロフェンには、抗炎症作用があるため、病院では炎症を抑える目的で1日3回で処方されることがあります。しかし、市販のロキソニンSの場合は、そのような使用は控えましょう。あくまでも、痛みがあれば、最高で1日3回まで、という使い方になります。

同じ成分の薬なのに、なんで「効能効果」や「使用上の注意」を変えたのかしら?

このような違いがでたのは、おそらくロキソニンSの慢性使用を防ぐためでしょう。

薬剤師目線で、ロキソニンSの成分であるロキソプロフェンについて、皆さんに絶対に伝えたい注意点があります。以下の内容は、ロキソニンSを服用する前に必ず確認してください!

  • ロキソプロフェンの鎮痛作用は、原因を治す治療ではなく、対処療法を目的としています。痛みが続く場合は、病院で原因を調べる必要があります。
  • ロキソプロフェンの継続服用は、胃潰瘍や腎不全などの副作用リスクを高めます。市販薬=副作用が少ない、というわけではありません。
  • ロキソプロフェンの抗炎症作用が有効となる疾患(リウマチや痛風など)は、自己判断での治療をしてはいけません。症状を改善させるために、必ず病院を受診しましょう。

 

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