熱性けいれんで、アンヒバ坐剤とダイアップ坐剤とういう薬を処方されました。同時に使う場合はどうしたら良いですか?
ダイアップ坐剤を先に使って、30分経ってからアンヒバ坐剤を使用してください。
【解説】
まれに複数の坐薬を同時に使うケースがあると思います。
冒頭で紹介した、
熱性けいれんで、アンヒバ坐剤とダイアップ坐剤のパターン
は非常に有名ですが、他にも、
胃腸炎関連で、アンヒバ坐剤とナウゼリン坐剤のパターン
というのもしばしば経験します。
このように2種類の坐薬が出たときに重要なことは、その坐薬のタイプが水溶性基剤か油脂性基剤かによって使う順番や投与間隔が異なるということです。
水溶性基剤(アンヒバ坐剤など)、油脂性基剤(ダイアップ坐剤など)について詳しく知りたい方はコチラをご覧ください!
一般的に、水溶性基剤(ダイアップ坐剤、ナウゼリン坐剤)⇒油脂性基剤(アンヒバ坐剤、アルピニー坐剤など)の順番が推奨されます。この順番であれば30分空けておけば問題ありません。
問題は逆のパターンです。
油脂性基剤(アンヒバ坐剤、アルピニー坐剤など)⇒水溶性基剤(ダイアップ坐剤、ナウゼリン坐剤)の順番になると、1~2時間以上開ける必要があります。間隔が短いと、後から入れた薬の成分が吸収されにくくなります。
少し難しい表現になりますが、後者の順番は、2つ目に入れた成分が油脂性基剤の中に溶け込んでしまい、直腸で吸収されずに基剤とともに排出されてしまうのです。
つまり、2つの坐薬を連続で入れてしまったり、入れる順番を間違えると、油性基剤の坐薬(ダイアップ坐剤やナウゼリン坐剤)の効果が落ちてしまうってことですね!
それでは、今回の質問の例を改めて考えてみましょう!
今回は、解熱剤のアンヒバ坐剤と、熱性けいれんを予防するためのダイアップ坐剤をもらったケースです。
この時の使用する順番は、ダイアップ坐剤⇒アンヒバ坐剤が絶対です!そして、30分間隔をあけましょう!
もしも焦って同時に使用したりすると、熱性けいれんを抑えたいのに、その予防薬であるダイアップが効かなくなってしまいます。また、発熱に焦って解熱剤から使ってしまった場合、1時間以上は開ける必要が出てきてしまうので、発作を防げなくなってしまいます。
熱性けいれんは、親にとっては非常に不安なものですよね。発熱時にすぐに対応することが発作予防につながります。その時に、坐薬を使う順番を間違えてしまうと大変です。しっかりと覚えておきましょう!
熱性けいれんについて、詳しい内容はコチラを。
もしも2種類の坐薬が処方された場合は、必ず使う順番を確認しておきましょう!
使用する順番が分からなくなった時のために、気軽に聞けるかかりつけ薬剤師・薬局をもっておくと良いですね。
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